今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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自社のウェブサイトやチラシで使える画像がないかと検索エンジンで探しています。使いたい画像を掲載しているサイトに、「すべてフリー素材です。ご自由にお使いください」と記載されている場合、そのまま使用しても問題ないでしょうか。
サイトでフリー素材と謳われていても、そのまま使用すると著作権侵害となる場合があります。
「フリー素材」と謳われていても、当該素材が著作権法上にいう「思想又は感情を創作的に表現したもの」であれば、「著作物」(著作権法2条1項1号)となり、著作権者が著作権を有し、その著作権侵害とならない範囲での使用が認められることは通常の素材と同様です。
例えば、ウェブサイトにおいて「すべてフリー素材です!自由にお使いください」などと記載されていたとしても、それだけでは適切に著作権者等からの許諾がなされているとは限らないことに注意が必要です。
インターネット上で「フリー素材」と謳われている素材の中には、「フリー素材」を謳いながらも、著作権者等の許諾なく無断でウェブサイト上に掲載されている場合があるからです。
そのため、「フリー素材」を掲載・提供している側が著作権を有しているか否か、著作権者等から許諾を取得するなど適切な権利処理がなされているか、といった点を確認することが必要です。
例えば、あるサイト上に掲載されている素材と同一の素材を別サイトで発見した場合などは、特に注意した方が良いでしょう。これは、著作権者等がウェブサイトに掲載した素材について、第三者が無断で別サイトにアップロードしているということがあり得るからです。著作権を有するか否かを確実に確認することは難しいですが、現実的には、「フリー素材」提供サイトが信頼できるサイトかの確認ということとなるでしょうし、信用できないサイトからは素材を利用しないということに尽きるでしょう。
また、「フリー素材」を信頼できるサイトから利用する場合であっても、著作権者等がどの範囲で利用を許諾しているのか当該素材の掲載サイトの規約や注記等を確認すべきです。
「フリー素材」であっても、当該素材のいかなる利用についても著作権を行使しないものとされているとは限らないからです。
例えば、「フリー素材」の掲載サイトにおいて、「無料でご利用いただけますが著作権は放棄しておりません」と明記されている場合があります。このような場合は、「フリー素材」といっても、著作権自体は有したうえで、利用者に対し、著作権者等が許諾する範囲での利用を認めているということとなります。逆に言うと、著作権者等による許諾の範囲を超えた利用については、著作権侵害となります。
このような著作権者等が許諾した利用条件を確認・遵守したうえで、利用するようにしましょう。
なお、上記で述べた著作権侵害とは別に、例えばフリー素材としての写真に人物が写っている場合には、被写体となった人物の肖像権の問題が生じる可能性がありますので、肖像権に関しても、適切な権利処理がなされているか注意が必要です。
(回答日:2024年8月23日)