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海外取引における契約書の作り方

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  • 海外取引における契約書の作り方

    海外取引において、契約書を作成するにはどのようなことに留意したらよいか教えてください。

    契約書の言語、種類、作成者、内容に留意してください。


    海外取引において、契約書は非常に重要です。当事者同士で契約内容を確認し合うためだけでなく、万一、当事者間で紛争が発生した場合、自社の利益を守るには契約書の記載内容が重要です。また、紛争を解決するために仲裁機関や裁判所など第三者の判断を仰ぐ場合、第三者は契約書にもとづいて判断しますので、第三者がどのように解釈するかを踏まえて、契約書を作成することが大切です。契約書を作成するにあたって、特に留意すべきことは以下のとおりです。 
    1.契約書の言語を決める。 
    契約書で有効な言語はひとつです。それ以外の言語は翻訳にすぎません。たとえば、日本語、英語、中国語で契約書を作成した場合、正式な言語はいずれかひとつですので、英語を正式な言語と決めたら、日本語と中国語はその翻訳という扱いになります。 
    2.契約書の種類を決める。 
    契約書には、基本売買契約、個別売買契約、販売店契約、代理店契約、ライセンス契約、フランチャイズ契約などがあります。また、相手に排他的独占権を与える独占契約と非独占契約があります。契約の種類によって、当事者の権利・義務の範囲、責任・リスクの所在が変わりますので、商品やサービスの内容、自社および相手の実力、市場・国の特徴・商習慣、競合する商品・サービスなどを勘案して、自社に最適な契約の種類を選択することが大切です。 
    3.契約書の原案をどちらが作成するかを決める。 
    契約書の原案を売り手、買い手のどちらが作成するか決まっていませんが、業界の商習慣、当事者間の力関係、契約書作成経験の違いなどによって、どちらか一方が原案を作成して相手に提示し、交渉が始まるケースが多いようです。一般的に、原案を提示した側が交渉の主導権を握りやすくなります。したがって、できるだけ相手より先に契約書の原案を提示することをお奨めします。 
    4.契約書には商品・サービスの明細・定義、独占・非独占、販売地域、価格、数量、納期、輸送方法、保存条件、準拠法、仲裁機関・場所などを記載しますが、特に重要な項目は決済方法、クレーム条項、保険、免責条項、契約期間、契約解除です。契約が順調に履行されている場合は契約書の重要性をあまり意識しませんが、万一、支払い遅延、クレーム、事故がおきた場合に備えて、責任の所在や費用負担を明確にしておくことが大切です。また、契約期間や解除条件を明記しておかなければ、自社に不利な内容の契約であっても契約を終了・解除できなくなります。 
    5.契約書を作成するにあたっては、弁護士、司法書士に必ずご相談ください。

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