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少人数私募債について教えて下さい

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  • 少人数私募債について教えて下さい

    銀行借入や投資家からの出資など、様々な資金調達の方法がある中で、知り合いの会社が私募債を発行したみたいなのですが、具体的にはどのような手法なのか教えて下さい。

    銀行などからの借入と投資家からの出資の中間の性格を持つ方法です。


    例えば「一口100万円で年利5%・5年目で一括返済」の条件で社債券を会社が発行し、社長のご友人が5口引き受ける(買う)と、会社は500万円の資金を調達でき、5年間は元金の分割返済などなくて、年間25万円の社債利息を支払うだけということになります。

    中小企業の場合、一般公募などは通常不可能です。従って自ずと親族や知人・友人などの縁故者に依頼したり、取引銀行が仲介をして保証協会保証付きの発行につなげるケースがほとんどとなっています。

    こういった社債発行は公募に対して「私募」と呼ばれ、特に縁故者を対象にしたものを俗に「少人数私募債」と呼びます。株式会社の場合であれば、取締役会で発行する旨を決議するだけで発行は可能です。ただし注意しなければいけないのが、50人未満でないと公募とみなされてしまい届出や管理会社の設置等の義務が生じてしまう点です。例えば3,000万円を集める場合には一口最低60万円を超える条件にしておかなければいけないということになります。

    また下記のような特徴があります。
    ①社債はあくまで「資本ではなく負債」なので、返済と利払が履行されていれば経営への口出しはされません。
    ②償還方法は会社が期限一括返済にするなど自由に決められます。
    ③配当金はダメですが、社債利息は会社の損金になるので、その分税負担は減ります。また所得税15%住民税5%の合計20%+復興所得税、を源泉徴収する手続きになりますが、社債引受者側でも同じ税率で他の所得と区別して計算が出来ますので、その方の税率が30%程度であったならば社債利息収入分は約10%程度お得です。これは株式の配当や貸付金の利息という所得が30%で総合課税されることと比較しても有利な設定です。

    (注意)
    ③について平成28年1月1日以降に発行される社債では、同族会社の自社の役員に対する
    社債利息については総合課税で所得税を計算することになります。

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