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事業承継にあたって、知的財産に関してやるべきことはありますか?

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  • 事業承継にあたって、知的財産に関してやるべきことはありますか?

    甲社は、代表者αが高齢であるため、数年内に事業承継を行う予定です。後継者は決まっています。甲社では、これまで代表者αが中心になって技術開発や特許出願を行ってきました。このような状況で、事業承継にあたって、知的財産に関してやるべきことはありますか?

    事業承継の準備として、知的財産の見える化及び磨き上げが必要です。



     事業承継では、経営権や財務的財産の承継に加え、その企業が有する様々な価値の承継が必要であり、承継すべき価値の中に「知的財産」が含まれています。知的財産の承継は、どの会社でも重要ですが、知的財産が事業に貢献している会社であれば、なおさらです。この知的財産には、特許権などの知的財産権だけでなく、ノウハウも含まれます。つまり、特許権を有しない会社でもノウハウを有していれば、知的財産の承継は重要です。

     また中小企業においては、どのような知的財産があるのかを会社で共有できていない場合が多く、技術開発を担ってきた代表者αしか認識していない知的財産が存在することもあります。事業承継にあたっては、甲社全体で、知的財産の承継の重要性を認識した上で、事業承継の準備として、知的財産の「見える化(棚卸し、洗い出し)」と、「見える化」で把握した課題を改善する「磨き上げ」が必要です。また知的財産権の移転(名義の変更)が必要となる場合もあります。

    (1)知的財産の見える化
     甲社が保有する知的財産(ノウハウを含めて)を洗い出し、自社の強みを把握した上で、強みに貢献している知的財産(つまり事業に貢献している知的財産)を特定して、事業との関係で、甲社の知的財産の見える化を行います。また強みに貢献している知的財産だけでなく、事業承継後も知的財産(新たな発明など)を創造できるように、開発ノウハウの承継も重要です。知的財産の見える化は、知的財産面での課題を把握することができるのに加え、会社の価値の把握や、事業承継後の経営戦略の構築に役立ちます。
     事業承継のステップでは、通常、経営状況・経営課題などの見える化を行うステップがあり、このステップで、知的財産の見える化を一緒に行うことが効率的です。その際、知的財産以外の無形資産(顧客ネットワークなど)と一緒に見える化を行うことで、会社のリソース全体の見える化が可能となります。

    (2)知的財産の磨き上げ
     知的財産の見える化を行うと、通常、知的財産面での課題を把握することができます。知的財産面での課題としては、次のような例を挙げることができます。
    (A)強みに貢献しているノウハウが存在しているにも拘わらず、ノウハウが漏洩しないようにノウハウ管理ができていない。
    (B)他社と差別化するために独自の製品を製造・販売しているにも拘わらず、製品の開発前に、他社の特許権・特許出願の調査を十分に行っていない。
    (C)使用している商標について、登録できる可能性があるのに登録していない。
     事業承継の準備として、このような課題を改善することによって、事業承継前に企業価値を向上させることができます。

    (3)知的財産権の移転
     代表者αが知的財産権を個人名義で保有している場合、甲社への知的財産権の移転手続きが必要となります。なお移転が利益相反行為に該当するか否かで、移転手続きで必要となる書面が異なります。
     また事業承継先が第三者企業となる場合も、知的財産権の移転手続きが必要となります。
     どちらの場合であっても、知的財産権の移転は、出願中の権利(特許を受ける権利など)を含めて行う必要があります。

    (回答日:2025年10月6日)

回答した専門家
知的財産

大池 聞平

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私の特徴は、特許事務所とベンチャー企業の両方で知財の実務経験があることです。ベンチャー企業では、社長の近くでマネージャとして仕事をしていました。この経験は、「経営者のお考え」や「中小企業のビジネス」を理解する上で大いに役立っています。「特許出願をお考えの方」や「知的財産をビジネスの武器の1つにしたいとお考えの方」のご相談に対し、これまでの経験を活かしビジネス視点でアドバイスをさせて頂きます。

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