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新型コロナウイルスの影響を受け、売上が減少しています。毎期経営計画を立てていましたが、見通しが立たず、経営計画が立てにくいです。どのようにこれからの経営を考えるとよいでしょうか。
資金繰りも含めた中期的な計画で見通しを立てましょう。
昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業が影響を受けており、経営計画を策定している会社は下方修正をせざるを得ない企業も少なくありません。
先が見えないときなので、経営計画を立てることを躊躇してしまう経営者の方もいらっしゃると思いますが、この危機を乗り越えるためにも、今後の見通しとして、また、行動の選択肢をつくる意味として、経営計画を立てていただきたいと私は考えています。
次のようなステップで乗り切る計画を立てていただくことをおすすめします。
STEP1 まず資金を確保し、時間を作る
売上が減少しており、会社に入る資金が減少している場合は、まずは、会社の生命線である資金を枯渇させない対策が必要です。資金繰り予定表を少なくとも向こう1年分で作成し、いくらの資金調達があれば1年間乗り切れるかを予測し、コロナ緊急融資と据え置き期間を活用し、また、必要に応じて借換えもしながら、手元の資金の確保と返済額の軽減を図ります。
STEP2 持ちこたえて見直す
STEP1で時間を確保したら、次は社内と社外環境の見直しをしていきます。
・コストを聖域なく見直し、不要不急なものがあれば、削減や置き換えを考える。
・一人ひとりの時間の使い方を見直し、無駄をなくし、将来につながる活動に時間を投資する(時間もコスト)。
・お客様にはコンタクトを取り続け、お困りごとをリサーチしておく(ニーズの変化に気づく)。
・競合を3社ピックアップし、お客様目線で自社との違いを分析する(なぜ選ばれているのか、強みを明らかにする)。
・雇用調整助成金や給付金などはもれなく申請して受け取る。
このような方法が考えられます。
STEP3 ウィズコロナ前提で成長につなげる計画をつくる
STEP2を経ることで、効率の良い経営ができる方に舵を切ることができ、そのうえで、これからの経営計画を作っていくとよいと思います。
経営計画を策定するにあたり、いわゆるSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を行うことが多いですが、コロナ禍では、これまで機会であったことが機会でなくなる場合は、強みを活かせる場所(お客様や、お客様の困りごと、お客様の理想)を探っていく必要があります。または、決して簡単なことではありませんが、資金調達で作った時間を大事に使い、「リサーチしてみる」「やってみる」「検証する」「次につなげる」のPDCAサイクルを回しながら、将来の収益の柱を築いてください。この危機を乗り切った会社は、きっと何があってもへこたれない強い会社になると信じています。