今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
製品原価に仕入品・外注品が大きなコストを占めているので、仕入コストの削減に取り組みたいと思います。品質を下げず、安定的に低コストで仕入品・外注品を調達するノウハウを教えて下さい。
取引先との信頼感と適度な緊張感を保つ環境づくりが基本です。
品質を下げず、安定的に低コストで仕入品・外注品を調達する基本は取引先との信頼感と適度な緊張感を保つことです。そのためのいくつかのノウハウをご説明します。
(1)仕入戦略(方法)を検討する
大きなコストを占めている仕入品・外注品や材料を従来の取引先から、いつもの値段で購入して続けていませんか。常に新しい仕入方法を考えることが大切です。他にもっといい仕入先はないか、2社、3社で分散して発注できないか、逆に1社に絞り込めないか。ワンストップ(複数の工程を1社に集中) で発注できないかなどです。
(2)競合環境をつくる
原価を下げる基本は競合です。1社からではなくできれば3社以上から調達できる環境を整えます。複数社にどのような割合で発注するか(発注レイアウトと言います)がポイントです。
(3)コストテーブルをつくる
仕入品、外注品のコストレベルを把握するために、コストテーブルを作成します。過去の見積書をもとに、価格を左右する要因(長さや重量等)を横軸、価格を縦軸にしてグラフを作成します。見積書は原価明細が記載できる自社のフォーマットを作成して仕入先に提示します。
(4)目標値を提示する
コストテーブルをもとに買いたい値段(目標価格)を提示します。目標価格に到達しない場合、「どのようすれば価格が下がるか」の提案を依頼します。
(5)現地現物で査定する
見積書だけで判断せずに、仕入先の工程を確認します。効率の悪い工程、低い材料歩留りは改善を依頼します。製品の重量、寸法や加工時間の実測も重要です。
(6)内外製を使い分ける
外注が最適なのか、内製できないかも大きなキーポイントです。同じ工程を内製と外製で使い分ける手もあります。内製と外製のコストを比較して切磋琢磨します。
(7)低コストで製造できる図面にする
自社の図面が、仕入先で生産しやすい図面なのかどうかを検討します。仕入先の意見を取り入れ、図面を変更することも必要です。
(8)量産品の原価低減
最初に買った値段で、永久に買い続けるのではなく原価改善を要請します。長く作り続ければ、工程や歩留りも改善されコストが下がるのが一般的です。仕入先の競争力も高まることを理解してもらいます。