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これまで電気の省エネについては、LED照明の導入など、いろいろと実施してきましたが、断熱も省エネ対策に有効と聞きました。具体的な方法について教えて下さい。
断熱対策には、比較的取組みやすい方法がまだまだあります。
熱発生設備の断熱対策は、設備の電力や燃料使用量を低減できるだけでなく、空調負荷を低減し、空調機の消費電力を抑える効果もありますので効果的です。
ここでは、比較的実施しやすく、効果的な方法を説明します。
①配管のバルブの保温
工場、ビル、ホテル、旅館、病院などでは、蒸気や温水が多く使われています。これらはボイラーで作られ、配管により供給されています。一般に配管は断熱材により保温されていますが、多くの場合、バルブは保温されず、むき出しのままとなっています。しかし、配管と同様に保温することで、ボイラーの燃料消費量を低減することができます。簡単に脱着できるバルブ専用の断熱カバーがありますので、活用することをお勧めします。
②成形機の断熱対策
プラスチック成形を行う成形機は、原料の樹脂ペレットを投入するホッパーや、投入された樹脂を溶かし成型部に押し出すシリンダーにはヒーターが使用されており、これらの周囲を保温することで、成形機の電気使用量を削減でき、さらに空調機の負荷を低減することができます。また、成形機の排気ファンからの温風は室内に排出される場合が多いですが、耐熱ダクトを用いて室外に排出することでも、空調負荷を低減することができます。
③溶解炉の熱放散の低減対策
鋳造工程や、めっき工程では、溶解炉が用いられます。溶解炉中の金属は、ガスバーナーや高周波加熱などにより溶融されますが、炉の開口部からの熱放散により多くのエネルギー損失が発生しています。しかし、実際には蓋がない場合や、蓋がある場合でも、開口部からの製品の投入・取出し時以外も蓋をしない場合が多く見受けられます。
耐火材と断熱材を組み合わせた蓋を準備し、できる限り蓋をすることで、放散熱量を低減でき、大きな省エネ効果があります。また、夏場の工場内の温度を低減する効果もあり、労働環境の改善にも有効です。