「大阪都市経済調査会の 頭脳」
徳田 裕平が分析

   区別のGDP(区内総生産)と税収で際立つビジネス街区:中央区・北区 ~GDPと税収の関係~

これまで市内24区について、産業や人口、土地利用などさまざまな観点から特徴を数字で分析し、第1位である指標に着目して、個性的な側面を切り取って紹介してきました。今回と次回(5月予定)は、総括として24区の社会経済的特徴を共通の指標で分析してみます。はたして皆さんが日頃感じているイメージと合っているでしょうか?
地域を特徴づける要因として、人口とGDP(区内総生産)、および税収に注目して分析しました下図はGDPを共通の縦軸として、2つのグラフを表現したものです。
 グラフ右側は、区別のGDPを推計して【掲載図】、各区を人口とGDPの2指標で捉えた座標位置を示しています。これから中央区や北区、西区のように人口規模ではさほど大きくない区が、GDPでは突出していることが確認できます。人口、GDPともに大きい淀川区を除いた残りの20区をみると、人口規模とGDPとは無関係であることがうかがえます。したがって中央区や北区にみられるように、GDPは定住人口による消費支出よりも、商業集積の大きさや産業が生み出す付加価値、そして企業の設備投資による影響が大きいことがわかります。
 他方、グラフ左側はGDPと税収の関係を表しています。両者の関係はほぼ直線的であり、GDPが大きいほど税収も高額となっていることが確認できます。ちなみに全税収(6,148億円)のうち法人分(法人市民税、法人固定資産税、法人都市計画税、事業所税の計:3,557億円)が占める割合は約58%であり、市内にある10万の法人事業所の寄与がいかに大きいかがわかります。
 以上のことから、税収アップに苦心している大阪市の財政構造を改善させるためには、産業の活性化が最大のキーポイントであることが改めて確認できます。次回は、この続きとして、法人地方税と産業別GDPの区別の現状を探ってみる予定です。

【掲載図 区別の人口とGDP(右側) および税収とGDP(左側)の関係】


資料:1)大阪市計画調整局「推計人口(平成16年12月)」  
    2)大阪市財政局「平成16年度決算説明書(市税関係)」より作成。区別GDP(平成16年度)は大阪都市経済調査会による推計。
  注:税収は過去の滞納分の徴税を除く、平成16年度単独分のみの調定済み額のデータ。

     【参考表 区別人口、GDP、税収(平成16年度)】
 
人口
(万人)
GDP
(百億円)
税収
(百億円)
北区 9.8 392 10.7
都島区 10.0 35 1.2
福島区 6.0 55 1.3
此花区 6.4 38 1.2
中央区 6.4 531 12.9
西区 7.1 145 3.5
港区 8.3 39 1.1
大正区 7.4 29 0.9
天王寺区 6.3 47 1.6
浪速区 5.3 53 1.5
西淀川区 9.6 47 1.6
淀川区 16.8 174 3.6
東淀川区 18.0 42 1.7
東成区 7.9 41 1.1
生野区 13.9 47 1.3
旭区 9.6 24 1.0
城東区 16.0 50 1.6
鶴見区 10.7 33 1.1
阿倍野区 10.7 40 1.6
住之江区 13.2 62 2.5
住吉区 15.9 29 1.4
東住吉区 13.6 34 1.4
平野区 20.1 49 1.9
西成区 13.4 33 1.0
大阪市 262.5 2,068 58.5

資料: 1)大阪市計画調整局「推計人口」(H16.12.1)
      2)大阪都市経済調査会により推計
      3)大阪市財政局「平成16年度 決算説明書(市税関係)」、 「平成16年度 大阪市税務統計」 
         主税部取扱分(たばこ税、固定資産税交付金)を除く

 

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